コンセプトは、「架け橋となるTRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)」
「人を育てるゲーム」を合言葉に、教育的な要素を取り入れながら本格的なゲームをつくる遊学芸と、長年コミュニケーションが苦手とされる発達障害のある方を対象にTRPG活動をして、研究発表などを海外でもされている加藤浩平氏が協力したTRPGのルールブックです。
【内容】
・プレイ時間:2時間程度
・必要ダイス:ひとり6面体ダイス2個
・想定層:中世ファンタジーのわかる小学校高学年、中学生以上
剣と魔法の中世ヨーロッパ風ファンタジーを舞台に、伝説の秘宝を求める冒険者となってダンジョン攻略する協力ゲームです。
イラスト満載のリプレイ(実況解説)を読めば、1プレイの遊び方が楽しく分かります。
・100点以上のイラスト。
・管理しやすくまとめたカード状のデータ群。
・キャラクターシートは単語だけで完成する。
など遊びやすさを追求しました。
【自分だけのキャラクターをつくろう! 】
PC(プレイヤーが操作するキャラクター)は、前衛に出て戦うファイター、多彩な魔法を使うウィザード、探索や戦いで支援するハンターの3種類の職業から選びます。
装備の強化やクラスチェンジによる成長の幅があり、簡単なだけでなく奥行きもあります。
単語を書くだけでキャラクターの設定が決まるタグによって、背景となる物語を簡単につくれます。
【自分でダンジョンを表現しよう! 】
依頼(クエスト)を受けてダンジョンに潜り、依頼目標を達成して報告するところまでが1プレイとなります。
専用のダンジョンシートを使って、6マスのダンジョンにどんな困難を用意するかは司会進行役のGM(ゲームマスター)次第です。そのための罠や地形、モンスター、状態異常、アイテムなどファンタジーTRPGによくある要素はきっちり取り揃えてあります。
また、遺跡から古文書を見つける。ゴブリンにさらわれたお嬢様を救出する。古代の魔法王と対決するなどのPCの強さに応じて7つのシナリオを用意しました。
【TRPGを広げよう! 】
コミュニケーションが苦手とされる子どもや学生を相手に何度もテストプレイを重ね、その経験を生かして本作ができました。加藤浩平氏のTRPGを活用した研究報告もあり、TRPGの可能性のひとつを示してあります。
2019年にある他のTRPGルールブックについても一部紹介し、ここで終わらない広がりを見せています。
今までの『いただきダンジョンRPG』を持っていた方のために、2019年の改版では新たにリプレイとPCのお助け冒険者、追加データや高レベル作成や料理などの追加ルール、準備いらずのランダムダンジョンなどの要素が加わりました。
遊学芸の公式サイトでは、各種シートやルールブック本体、サプリメントのPDFを無料で公開してあります。
本文は160ページにもなるため冊子として購入し、プレイヤーには該当部分をコピーしておくなど快適な環境をつくって遊べます。
著者について
加藤 浩平(かとう・こうへい)
東京学芸大学 研究員/編集者。
早稲田大学教育学部卒業後、専門書出版社に勤務。心理学や教育学の雑誌・書籍の編集に携わる。
取材をきっかけに余暇支援ボランティアとして自閉スペクトラム症(ASD)のある子どもや若者とかかわるようになり、その後、編集者を続けながら大学院へ進学。筑波大学大学院(博士前期課程)、東京学芸大学連合大学院(博士後期課程)を経て、東京学芸大学研究員。博士(教育学)。
現在も研究者と編集者の二足の草鞋で、特別支援教育の世界に関わっている。専門は、ASD のある児童青年のコミュニケーション支援・余暇活動支援。著書(いずれも共著)に、『自閉スペクトラムの発達科学:発達科学ハンドブック10』(新曜社)『発達障害のある子の社会性とコミュニケーションの支援』(金子書房)などがある。
保田 琳(やすだ・りん)
ゲームデザイナー。
東京学芸大学大学院教育学研究科修了。研究テーマはTRPGを用いた相互やり取りによる想像力の育成。
ビジネスゲーム会社や大学と協力して学習ゲーム教材の開発を行う。カレイドソリューションズと博報堂コンサルティングの共同開発した『Marketing Jam 』、ハートクエイクの『ストマネ』『ヒアリングチャレンジ』『マナーストーリー』の開発協力、東京大学、東京富士大学、横浜国立大学にてゲーム教材開発協力をする。
Ludix Lab にてシリアスゲームについて学び、「遊学芸」という団体名で「遊び」と「学び」をひとつにした学習ゲーム開発を行っている。代表作は『スライド10』、『UREG(アレグ)』『サモンスケート』など。
第15 回ゲーム・フィールド大賞にて、TRPG作品『マモノと♪』がSRS 部門で準入選。