ようこそ、秋のたそがれの国へ
『カムズ』の世界は、童話やおとぎ話のような、少しばかり古くさい西洋風の世界です。
この世界でも妖精や怪物、魔法の物語はわれわれの世界と同様に想像のなかだけのもの、真実ではない子ども向けの作り話であると長らく信じられていました。
ですが、それは間違っていたのです。
いつの間にか、人間だけが繁栄を謳歌する時代は終わりを告げていました。
人々が気づかぬうちに『秋』の時代が忍び寄ってきていたのです。
森で迷った子どもたちは妖精の踊りに誘われどこかへ行って、二度と帰ってきませんでした。
深い穴に落ちた男は、その奥にうずくまっていた大きな獣に話しかけられました。
とあるお城では、夜ごとになにかを探す幽霊がうろつくようになりました。
このゲームの参加者であるあなたたちもまた、不思議で奇妙な出来事に出会うことになるでしょう……。
『秋』の住人
妖精、幽霊、魔法使い……。
『秋の世紀』には、さまざまな奇妙な住民たちがあらわれます。
かれらの正体が何であるのかはわかりません。
人々は、畏れや憧れのあまり言い伝えを歪めていたり、あるいは単に勘違いや覚え違いのためにかれらの姿を取り違えていたりすることも多いのです。
妖精
神というほど強大ではないが、不思議な力を持つものたち。
それが妖精です。
妖精はしばし、人間には理解のできないルールで行動しています。
かれらは奇妙な痕跡を残し、人間にいたずらをします。
けれど、何故そんなことをするのかは、人間には想像だにつきません。
かれらの不思議ないたずらは、悪夢や呪いとも言うべきおそろしいものであることもあります。
そのような妖精たちは、時に『妖魔』とも呼ばれます。
物語の中では、たとえば、かれらの領域に連れ去られたり、かれらの能力や呪いに巻き込まれたりといった出会い方が多いでしょう。
魔法の品
必ずしも生きたものだけが『秋』にあらわれるのではありません。
時には魔法の力を持った品物が、人々の前にあらわれることもありえます。
妖精や小人たちはそれらの優秀な作り手ですが、特別に強力な魔法使いが作ったものや、おのずと魔法が宿ってしまった品などもありえます。
物語の中では、人々はひょんなことからそれらを手に入れたり、品物の魔法にとらわれてしまったりすることでしょう。
物語の舞台
『カムズ』の物語の典型的な舞台は、深い森や洞窟の奥といった人気のない場所、あるいは廃墟や墓地のようないわくありげな場所などです。
ですがもちろん、人々の住む場所にかれらが現れないということではありません。
不思議なもの、奇妙な――おそろしい――ものたちは忍び寄ります……。ある日突然、見知っていたはずの街角が、どこか遠くの国の街角のように感じられる日がこないとも限りません。
黒い森
この森は小さな国くらいの大きさをしており、数々の人間の国にまたがっています。
大きな街道はこの森を避けるように通っており、周囲に点在する小さな村々の住民を除き、ほとんどこの森に入る者はありません。
そればかりか、地元の狩人の中で最も遠くまで出かけたことのある者ですら、この広大な森に果たして何があるのか、ほとんど知らないと言っていいのです。
このような深い森ですから、秋の世紀には様々なものたちがあらわれ、人知れぬ宴を繰り広げています。
ピクシー、ドリュアス、エルフ……
そういった者たちの集落は巧妙に人の目には隠されていますが、もしもあなたが奇妙な偶然のために迷い込んでしまったならば、歓待されるかもしれません。
時には、あなたが望む願いを叶えてくれることもあるでしょう。
ただしあなたは、決して妖精たちの秘密を喋ってはなりません……
もしもあなたが秘密を洩らせば、妖精たちはあなたをかれらの国に連れ去って、あなたを妖精の仲間にしてしまうでしょう……
そう、永遠に!
ゲームの特色
『カムズ』の一番の特色は、ゲームの参加者がGM一人とプレイヤー二人の合計三人に限られるということです。
このことにより、お互いに密接なやりとりが行われるようになり、セッションにかかる時間も短縮されています。
二時間程度もあれば一回のセッションを遊ぶことができるでしょう。
また、PCの作成が非常に単純であること、戦闘などのデータのやりとりに重きを置かず、ストーリーを語っていくことに焦点があてられていることも特色として挙げられます。
オンラインセッション対応
人気のオンラインセッションにも対応しています。
公式サイトでは、どどんとふで使えるマップやトークンをDLすることができます。
プレイ時間:2時間程度(テキストベースのオンラインセッションで3~5時間)
リプレイ1本、シナリオ8本収録