最高級秘密会員クラブ――不夜城
そのはじまりは紀元前三世紀頃、前漢の時期にまでさかのぼるという。
高祖帝・劉邦によって創設された不夜城は、長い長い歴史を経て、やがて接客によって世界のパワーバランスを調整する、完全中立の調停機関としての側面を持つようになる。
つまり、社会に影響を与えるほどの権力や財力を持つ社会の怪物――VIPを専門で接客する特殊施設なのである。
そうしたVIPたちが社会に悪影響を与えるもととなる心の闇を祓うことが、不夜城の頂点に位置するナイトバタフライたちの使命なのだ。
社会の怪物――VIP
ささいな発言や行動ですら、社会に影響を与えてしまう怪物こそが、ナイトバタフライたちが接客すべき対象――すなわち、VIPと呼ばれる存在である。
VIPたちは、その立場ゆえか、さまざまな快楽に対して耐性を持つ。
だが、それにゆえに彼らは、心の奥底に闇を抱えがちだ。
そして、そうした闇が淀むことで、社会は悪い方向へと転がってゆく。
そのため、彼らは自らの心の闇を祓うために、あるいは誰かから闇を祓ったほうがよいとアドバイスを受け、多忙な間に時間を捻出して、不夜城を訪れるのである。
そうして、VIPたちはナイトバタフライたちから、一夜の夢を授けてもらうのだ。
ナイトバタフライの作成
PCたるナイトバタフライの作成方法は、非常に明快です。
なんと、12種類のスタイルの中から2種類を選択するだけです。
ビューティ:素晴らしい美貌の持ち主であることを表す。
キュート:優れた容姿に加え、誰からも愛されるカリスマ性を有することを表す。
ロイヤル:本物の貴公子や令嬢であることを表す。
ワイルド:健康的な色気や、素晴らしい肉体美の持ち主であることを表す。
ホット:強い情熱や熱意の持ち主であることを表す。
クール:沈着冷静な判断力の持ち主であることを表す。
クレバー:優れた知性の持ち主であることを表す。
コメディー:他者を笑わせる。あるいは楽しませることを得意とすることを表す。
セクシー:異性、同性問わず、相手を魅了する魔性の存在であることを表す。
レジェンド:吸血鬼や付喪神など、妖怪や人外の存在であることを表す。
エンジェル:天真爛漫な癒し系。あるいは本物の聖人や天使を表す。
デビル:邪悪な悪党。あるいは本物の魔人や悪魔を表す。
ダイスアトリクションシステム
このTRPGで用いるダイスは、6面体のみを10個程度。
判定方法もシンプルで、ダイスを振り、出目の総計を数えるだけ。複雑な固定値は一切ございません。
ただし、VIPはPCたちにストレスを与えてくる瞬間があります。
その際に、PCたちは自身が準備したダイスの数を割り振り、相手から受けるストレスを軽減しなければなりません。
が、ダイスを割り振りすぎると、接客に用いるダイスの数が足りなくなる場合があります。
そのためにPCは、状況を見て、ダイスを割り振る数をコントロールする必要があるのです。
これこそが、『歌舞伎町伝説RPGナイトバタフライ』に採用されたコアシステム・ダイスアトリションシステムです。
無論、「特定の出目のみを振り直す」や、「2の出目を5の出目に交換する」など、ダイスを振るだけではない、特殊な効果がシンプルなダイスアトリションシステムにさらなる奥深さを与えています。
ロールプレイ支援も搭載
表を振り、記載された内容を独自にアレンジして演じるだけで、ホストやホステスっぽいムーブを取ることができます。
さらに、ヒーローポイントにあたる『バタフライエフェクト』を、ロールプレイのご褒美として獲得することができます。
少人数プレイ完全対応
なお、本作の対応人数は最小2名、最大4名。
つまり、最近流行している少人数のセッションにも完全対応しています。
シナリオの作成も簡単
本作のシナリオの作成は、非常に簡単です。
NPCとなるVIPの概要と、その内に秘められた心の闇を設定するだけです。
また、シナリオ進行も非常にシンプル。
物語はフェイズと呼ばれる単位で進行し。PCたちがどこで、どのような行動を取るかがタイミングと呼ばれる単位によって明確化されています。
これにより、GMの負担を極限まで軽減。ロールプレイに注力するよう設計されています。
無論、夜の世界など想像もつかない、という方が安心して遊べるよう、丁寧に設計しております。