歳月は飛び去る枯れ葉のごとく。
すべては暗闇のうちにあり、すべては沈黙に包まれている。
君は飾られた石棺の前に立ち、考えることも呼吸することもなく、寝ずの番をする。
そうするよう課せられているのだ。名前を思い出すことはあたわず、それでも見張りを続ける。
骨から肉が剥がれ落ちてしまうが、それでも見張りを続ける。
そうしてある日、灯りと動くものが現れ、君は逆棘の付いた斧の重みを手に感じて、盾を持ち上げる。
闘いに餓え、墓荒らしの血気盛んな小童どもと自らの技量を比べたくてたまらない。
もはや君が命を取り戻すことなど起こりえないのだが、この瞬間、すなわち墓所への冒涜と侵入者の破滅との間に起こる混乱に身を置くとき、君は間違いなく生きている。そして、自らがかつてどのようなものであったかを思い出し、在りし日を追想するのだ。
プレイヤー・キャラクターは全員、ある墓所を守るスケルトンになります。
ゲーム開始時に行うことは、石棺の置かれた墓所の間取りを描き、そして自分が担当するスケルトンを選んで、そのスケルトンの装備品をキャラクター・シートに描くだけです。
では、どう遊ぶのでしょうか。
このゲームでは墓所への侵入者を撃退する度にスケルトンたちは生前の記憶を思い出していきます。
もしかしたら隣でともに墓所を守っていたスケルトンは、生前は宿敵だったのかも知れません。もしかしたら恋人だったのかも知れません。
ただスケルトンは侵入者が現れた時にのみ意識を持ちます。ただただ戦いのさなかにだけ、過去を思い出します。
そして侵入者を打ち倒し、次の侵入者が現れるまで、あるいは1年、あるいは1年、またあるいは数千年のときがたちます。
思い出すことの多くは、もしかしたら残してきた日々の、取り返しのつかないことなのかも知れません。
いずれにせよ、こうしてプレイを続けていくとキャラクタの過去が生まれていき、ゲームが終わる頃にはPC間にそれなりの関係が生まれていきます。
そう、ゲームを通じて過去が鮮明に掘り込まれ(スケルトンではありますが)キャラクターが築きあげられる。
それがこの『スケルトンズ』のポイントです。
必要なもの
*1~6人のプレイヤー。ゲームマスターは不要。
*キャラクター・シート。それと筆記用具を何本か。
*時間は1時間から。
*オンライン・セッションの場合は、墳墓、それから各自のキャラクターを共有できるお絵かきツールが必要です。
情報
スケルトンズ
著者:ジェイソン・モーニングスター
翻訳:塚越冬弥
プレイ人数:1~6人
プレイ時間:1時間から
A4版/ルール18ページ+キャラクターシート9ページ