カムズの新ルール&アイデア
PC継続使用のための新ルール
『カムズ』では本来、同一のPCを継続して複数のシナリオを遊ぶことは想定されていません。
しかし、『ランプの夜』に収録されている新ルールを使えば、同一のPCを継続使用して複数のシナリオを遊ぶことができます。
具体的には
- PCの配役の指針
- 魔法の継続ルール
- 特徴の取得ルール
- 運命の調整ルール
などの継続使用のための調整ルールが説明されています。
お気に入りのPCたちでたくさんの物語を遊ぶことで、そのPCたちにまつわるより大きな物語を紡ぎ出すこともできるでしょう!
「木組みと石畳みの街」ランペルニッス
『ランプの夜』に収録されているシナリオはすべてランペルニッスという架空の街が舞台になります。
ランペルニッスは大通りに整然と敷かれた石畳と、様々な色のペンキで塗られた木組みの家々が見るものを楽しませる美しい街です。
その一方でこの街には、北側に広がる深く暗い「黒い森」や、幽霊屋敷と噂される「焼け屋敷」、墓に奇妙なお供え物をし続けた「墓守ジェイビー」など、怪しくも不思議な逸話や噂がたくさんあります。
これらは全て、『カムズ』のシナリオフックとなるようなものばかりですので、舞台設定から様々なシナリオを考えて遊ぶことで、最終的にはランペルニッスの大いなる謎に挑むようなシナリオも作り出せるでしょう。
そしてそれは、『カムズ』の後の時代である『灰色城綺譚』へ連なる物語へもつながるかもしれません。
収録シナリオ
カムズ 秋のたそがれの国
シナリオ1『影の狼』
◆あらすじ
ある日の朝、PCたちの元にやってきたアンリエットは嬉々として語る。
「深夜、この街を狼の群れがうろついているのをご存知?」
彼女が語るところでは、深夜にこの街をうろつく狼の群れがいるのだそうだ。
どこから来て、何の目的があるかわからない狼の群れ。
その最大の謎は、彼らは道に足跡ひとつ残さないことだ。
まるで、狼の影だけが歩いているかのように。
◆配役
PC1:怪奇事件の調査を依頼されるような人物(探偵、新聞記者、何でも屋など)
PC2:PC1を手助けするような人物(助手、部下、友人など)
シナリオ2『異国の花』
◆あらすじ
ランペルニッスの文化の中心といえば、言わずと知れた新市街のエンチャード劇場だ。
現在、馬蹄型のその劇場の舞台に立っているのは売り出し中の天才歌手ハンナ・ブルー。
「天使をも魅了する」と謳われたその歌声と美貌で飛ぶ鳥を落とす勢いである。
しかし公演も終盤に差し掛かった頃、彼女の元に差出人不明の花束と手紙が届く。
名前も知れない異国の花と共に届いた手紙には「3日後の夜に、あなたを迎えに行きます」と書かれていた。
◆配役
PC1:怪奇事件の調査を依頼されるような人物(探偵、新聞記者、何でも屋など)
PC2:PC1を手助けするような人物(助手、部下、友人など)
シナリオ3『緑の小鬼の逃避行』
◆あらすじ
街のはずれに“焼け屋敷”と呼ばれるお屋敷がありました。ずっと前に焼け落ちたままに捨て置かれた不気味な幽霊屋敷として、ご近所では有名なお屋敷です。
危ないから近づいてはいけないよ、と言い含められてはいるものの、あなたたちにとっては大人に秘密の隠れ家。
その日も訪ねていくと、そこで出会ったのは緑色の肌の兄妹でした。
◆配役
PC1・2共通:焼け屋敷にやってきた人物。お互いに知り合いであるのが望ましい。
シナリオ4『さいごの竜の涙』
◆あらすじ
ある日、あなたの拾った牙のような形の石。
湖の近くでそれを拾って数日。湖に異変が起こりました。
びっくりするほどに琥珀が採れるようになったのです。
湖の底には死者たちとともにさいごの竜が眠っているとも言われます。
物知りな旅人はあなたの石がさいごの竜ゆかりの品かもしれないと言います。
さて、本当はどうなっているのでしょう。
◆配役
PC1:街外れで牙のような石を拾った少年や少女。
PC2:PC1と一緒にそれを見つけた友達など。視点の違う大人でも面白いだろう。
灰色城綺譚
シナリオ5『ランペルニッスの天使たち』
◆あらすじ
ランペルニッスの下町にある孤児院出身のPC1とPC2は幼い頃からの親友同士であった。
しかし、大人になりPC2が孤児院の院長となった一方で、PC1は街のギャングの一味となっていた。
経営難の孤児院をPC1は非合法に稼いだ大金で支援しており、羽振りのよいPC1のことを、PC3をはじめ子どもたちは尊敬している。
そんなある晩、ランペルニッスの新市街で事件が起きる。
キャバレーのオーナーであるヘンリー・バートンが殺されたのだ。
シナリオ6『エンチャード・メロディー』
■あらすじ
ランペルニッスの新市街に建つエンチャード劇場は興行不振と老朽化により閉鎖及び取り壊しが決まった老舗の歌劇場である。
今夜、劇場では取り壊しを惜しむ人々が集まって思い出を語り合うパーティーが行われていた。
そこには最後までエンチャード劇場でショウを続けたPC2とPC3の他に、恋人の事故死をきっかけに長らく表舞台から姿を消していたPC1の姿もあった。
長年の友人同士であるPCたちは、PC2の提案によりパーティーの後も3人だけで劇場に残り、旧交を温め合うことにするのだった。