本書はH.P.ラヴクラフトらによって紡ぎだされた「クトゥルー神話」をモチーフに北欧スウェーデンの作家Mikael Bergströmによって製作されたテーブルトークRPGです。
まるで小説を追体験するかのように楽しめるミステリーに特化したルールセットで、 ルールがシンプルでありながら狂気の進み方が特徴的です。
この『クトゥルー』は、1920~30年代を舞台とするロールプレイングゲームのシステムです。
捜査活動、謎解き、問題解決を主軸としつつ、創始者H・P・ラヴクラフトの精神に基づく宇宙的恐怖もまた、適切なバランスで配合されています。
はじめに
この『クトゥルー』では、一緒に物語を紡いでいくために、少なくとも2人の参加者が必要です。そのうち1人がゲームマスター(GM)となり、残りの参加者はプレイヤーとして個々にキャラクター(プレイヤー・キャラクター:PC)を作成します。
ゲームマスターの役割は、キャラクターたちを取り巻く周辺世界と、その道すがら出会う人物たちを作り上げることです。
ゲームマスターによって作られたキャラクターは、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)と呼ばれます。ゲームマスターは、プレイヤーが挑むべき物語の基本的な枠組み(大筋)をあらかじめ準備しておきます。
自分の頭からひねり出しても、誰かほかの人が書いた完成したシナリオを読んでもかまいません。
他にも幅広いジャンルのシナリオが他のラヴクラフトを題材としたTRPGの為に書かれています。
そういったシナリオは『クトゥルー』にも簡単に取り込む事ができます。
プレイヤーの役割は、自分のキャラクターを演出することにあります。
ゲームマスターの説明に対して反応し、計画を立て、自身のキャラクターの行動を説明し、ゲームを進めていきます――しばしば、ハッピーエンドとはかけ離れた結末へと。
ラヴクラフト・ミステリーTRPG
この『クトゥルー』は、ラヴクラフトの世界観に基づく1920~30年代を舞台としたRPGで、謎解きに重きを置いたルール・システムに仕上がっています。
同ジャンルの既存ゲームとは、次のような点で異なっています。
- 焦点は謎解きにあります。『クトゥルー』のルール・システムは、調査、手がかり、パズルに重きが置かれています。
- 頭を使ってください。『クトゥルー』では、謎の解決はダイスではなく、あなた自身の知性にかかっています。
- 狂気の高まりを体験してください。『クトゥルー』の独特な狂気システムは、文学的な手法に基づいています。
定番の冒険とキャンペーンをプレイしましょう。
調査&謎解きシナリオなら、用意に『クトゥルー』の簡単なルール・システムに変換できます。
参考文献
- ミス・マープル、エルキュール・ポワロ、およびその他の謎解き役が登場するアガサ・クリスティーの小説の数々
- ケイオシアム/KADOKAWAの『クトゥルフ神話TRPG』シリーズ
- ぺルグレーン・プレス/グループSNEの『暗黒神話TRPG トレイル・オブ・クトゥルー』シリーズ
- Fallen Publishingの『Fallen Reich』TRPG
- Cubicle 7の『Cthulhu Britannica』ロールプレイング・モジュール
- ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの恐怖小説の数々
【本の内容】
目次
- もくじ
- はじめに 5
- キャラクター 7
- ルール 25
- 狂気 35
- ゲームマスタリング 51
- 補遺A:アンゼリカ・ソサエティ 59
- 補遺B:キャラクターシート 69