ここは記憶の墓場
この作品を手にした人には、過去に遊んだTRPGのキャラクターがいるでしょう。
愛着のある大切なキャラクター、惜しくも散った悔いの残るキャラクター、その他多くのキャラクターが。
TRPGを遊んだことがない?
そんなあなたにも、夢枕に想像した冒険者が、勇者が、王子様が、あるいは少年が、お姫様が、きっと居るはずです。
この作品のPCは、そんな思い出の中に残るキャラクターとなります。
この作品の敵は、思い出すことの出来なかった記憶の欠片が積み重なり姿を得たもの、すなわち虚像となります。
腹より想え貴方方ーー
たとえ全てが、嘘だとしても。想い象る白き砂ーー”セラ”に覆われし不毛の惑星。
故・地球の忘れ形見を源に、
在りし日の似姿が再現され続けるその世界で、
存在と否定を巡る、巨像と虚像の戦いは繰り返される。
その終わることのない邂逅の果て、邂逅に至旅路の最中、
辿り着くのは如何なる答えかーーそれは貴方方の中にこそある。
そういうものだ。
一見難関、そして突き抜けた雰囲気
独自用語の多いどらこにあん作品ですが、今回の作品は群を抜いていると言っても良いでしょう。
作品を形作るため、全箇所に独特の言い回しを使っています。随所?いいえ、全箇所に、です。
この試みは、作品を形成する上で非常に大きな役割を持っていますが、反面注釈文及びメタ要素に至るまで徹底されているため、読みやすさという点においては完全に無視されている形になります。
基本的な構成は、目次、キャラメイク、ルール説明、戦闘説明、GMの方法、シート類、と一般的な構成です。
しかしそれでも、文章の解読と理解が苦手な人には、3ページ読み進めることも難しいのではないでしょうか?
通常ですと、読みにくい、それだけで最低評価とすることも珍しくないのですが、この作品は違います。
この作品がこの作品であるために必要だからこの形式になったと言うことが理解できるからです。