GM不要、事前準備(シナリオも)不要な、単発セッション用RPGです。
事前の読み込み不要な「プレイセット」と呼ばれる設定構築キットさえあれば、すぐにでもゲームを始めて大惨事を楽しめます。
ルールの他、プレイセット4本、ルール解説用リプレイ付き。
Fiasco(フィアスコ)
大失敗・大失態を表す英単語です。
もともとはイタリア語で『オペラの台詞を間違える』ことを指していました。現在では主に、『野心的な企みが、しょうもなく滑稽な結果で終わる』というニュアンスを含みます。
つまり、その名を抱くこのゲームは、
君と大惨事を作るRPG。
ということです。
『野心はあっても自制心は頼りにならない』『その身に合わない野望を抱いて、穴だらけの計画で大仕事に挑む』『三流犯罪者がとことん転げ落ちていく』。そんな映画たちに影響を受けて作られたゲームです。
そのため、キャラクターたちはそのほとんどすべてが酷い目にあいます。マヌケな三流犯罪者たちは、多くの場合自業自得によって、崩壊の道を転げ落ちていくのです。
楽しい大惨事に必要なもの
- ルールブックと「プレイセット」
- プレイヤー:3~5人。専任のGMは不要。
- ダイス:プレイヤー1人につき、6面体を4個。内訳は白2個と黒2個。
- メモ:筆記用具に加え、名刺大のメモ用紙か付箋を20~30枚。
- 所要時間:2時間半ほど。
楽しい大惨事にGMはいらない
このゲームに、専任のGMは不要です。
むしろ、参加者全員がGMなのだと言った方がいいでしょう。そこにこのゲームの楽しみがあります。
お互いに相談しあいながら、自分のみならず仲間のキャラクターの演出までして、話を一緒に作り上げる、それが『フィアスコ』の面白さです。
え? 「GMをやったことがないから遊べない」?「GMもPLもやらないといけないなんて、忙しそう」?
なあに、気にする必要はありません。みんながGMなのですから、慣れないうちは仲間に助けを求めればいいのです。
思いつかないときは演出を助けてもらうのもよいでしょう。
楽しい大惨事の舞台を作るプレイセット
ではGMがおらず、そして全員がGMということは、シナリオはどうなるのでしょう?
なにせフィアスコには専任のGMがいませんから、事前にシナリオの用意や読み込みなんて誰にもできません。
代わりに、背景設定(問題)構築ツールともいうべき「プレイセット」を用意しておきます。
プレイセットには色々な舞台があります。ルールブックに「アメリカの郊外」「西部劇」「南極の基地」「ファンタジー」の4本が用意されている他、公式ページなどでDLしてきた新たなプレイセットを使うこともできます。
好きなものをいくつか用意し、その中から皆で話し合って決めると良いでしょう。
ゲームがはじまると、まずこの選んだプレイセットにしたがって、様々な要素を決定していきます。
各キャラクター間の人間関係、人間関係をより深いものにする物品や場所、それからキャラクターの動機が決まります。
するとどうでしょう。
なんと、自然と大問題の種が振りまかれてしまいました!
その設定を元に各キャラクターの設定をつくりあげたら、後はさあロールプレイをするのみです。
注意点
多くの場合、キャラクターたちは悲惨な結末をむかえることになります。
そのため、登場人物の報われない結末≒バッドエンドが苦手な人はご注意ください。
逆に、「大惨事ばっちこい!」「ブラックジョーク大歓迎!」という人にはとっては、とても刺激的な経験となることは間違いないでしょう。
情報
フィアスコ
著者:ジェイソン・モーニングスター
翻訳:鮎方髙明、伊武任次朗
プレイ人数:3~5人
プレイ時間:おおよそ2時間半
A5版/136ページ
プレイセット:プレイセット集