dialect
音節 di • a • lect
発音[dάɪəlèkt]
[不加算名詞]
1 方言; 国なまり
2 (特定の職業・階層の)通用語
研究社 新英和中辞典より
言語を作り、世界を作る。
言語には世界が宿ります。それが語られている共同体の世界観を内包しています。
『ダイアレクト』は、孤立した共同体とそこで語られている言葉、そしてその言葉が失われる意味についてのゲームです。
孤立した共同体で使われている言葉を作ることで物語を語りましょう。
孤立した共同体
まずは、参加者全員で協力してその孤立した共同体を作ります。
これは舞台設定がルールブックに基本となるものが4つ用意されていて、そこに記されている質問に答えていくことで共同体が抱えている3つの側面と、大体の設定が決まります。
これ以外にも少し捻った舞台設定が12個掲載されていて、合計で16個の舞台設定があります。
- 「第一次火星探査の先遣隊」
- 「外部の社会との関りを拒否したコミューン」
- 「人類がいなくなった後の地球に遺されたロボット」
- 「19世紀の港町に潜む盗賊団」
プレイ
共同体の3つの側面と手元に配られた言語作成用のカードを使って参加者全員で協力して言葉を作り、そしてその作った言葉と今までの設定に合わせてロールプレイをし、物語を作っていってください。
そこにGMはいません。そこに判定はありません。ただ自分のキャラクターとその言葉との、肯定的であれ否定的であれ何らかのつながりを構築するために会話をします。
時代の経過とともに共同体は変質し、側面もまた変わっていきます。
手札から出されたカードによっては、古い言葉は取り残されて死語になるかもしれませんし、また他の単語と結びついて新たな言葉になるかもしれません。
そうして時代の変遷を繰り返し、共同体は最後には必ず滅びます。それは発展的解消かもしれませんし、強制的な解体かもしれませんが、ともあれ必ず失われます。
そして孤立した共同体が滅びるその時、そこで使われていた言葉は使われなくなり、存在価値も失われ、口にする者たちもいなくなります。
共同体には、キャラクターたちには何が遺されたのか、それを振り返り1人1人語ってもらいゲームは終了します。
この共同体と言語の喪失は、現実でも、そして日本でも起きうることです。
アイヌ語は極めて深刻な危機に瀕する言語ですし、方言にしても昔に比べるとマスメディアなどの影響で緩やかになってきています。
世界に目を向けると話者が10人に満たない言語は、全言語のおよそ10%に上ります。
こうした言語や方言が失われ、大きな言語に飲み込まれる時、それに由来する文化や世界なども失われます。
『ダイアレクト』ではこれを体験します。
オンラインセッション対応
人気のオンラインセッションにも対応しています。
『ユドナリウム』用のセーブデータが付属しているので、これを使えばカードを用意する必要はありません。
必要なもの
プレイ時間:3~4時間
ダイスは不要
情報カード20~30枚ほど。それと筆記用具を何本か。
専用カードのデッキ
情報
翻訳:早川秀俊、鮎方髙明