これは、星々の海での出会いと別れの物語。
世界観
舞台は、幾つもの銀河文明が栄えていた未来の銀河系。
多くの種属が星々を行き来したのは、昔の話。
突然、大発生した惑星改造機械艦隊「リグレッサー」の侵略により、恒星間ネットワークは寸断され、各地の恒星系は滅亡の危機に瀕していた。
孤立した各星系の文明を救うため、「救済評議会」は、人工知性で構成された無人艦隊を編成し、銀河の各所に送り出したのだった。
本作のPCは、この文明救済用の艦隊AI「トランセンダーズ」である。
最低でも100隻の無人艦で構成され、分散処理されたAIたるPCは、不老不死に近い。行く先々の惑星で、生存者を助け、文明を育て、リグレッサー艦隊を叩くのがPCの任務だ。
だが、PCは、あくまで文明を育てる上位存在……いわば神に近い存在であり、惑星上の誰かと仲良くなっても、いつかは別れねばならない。
これは、星々の海での、出会いと別れの物語。
PC種属
PCは、元々は惑星上に生きていた種属だった。脳神経系から人格データを抽出、デジタルコピーによってAIとなった存在である。
このため、三龍戦騎シリーズの銀河系でおなじみの種属を、生前の姿として選ぶことが出来、技能にも種属の特徴が反映される。
PCは、艦隊AI「トランセンダー」である。分散処理型の艦隊AIであり、宇宙では、艦隊形態「レギオンフォーム」で行動し、惑星上で現地種属と対面するための「エッジフォーム」という形態ももつ。エッジフォームは人間大の義体であり、生前の姿に似せてあることが多い。
技能には、レギオンフォームとして、惑星改造や宇宙艦隊戦で役立つ「レギオン技能」と、エッジフォームとして現地種属と対面しての交渉や人間大の活劇などで役立つ「エッジ技能」とがある。
- ヒト:地球人の子孫。母星を喪って長く、放浪民族としての生存能力に長ける。艦隊も生存性を重視。
- エンリル:ナーガローカ星系で栄えた有翼人型の種属。飛行能力があり、大気圏内での戦いが得意。
- ガルナス:軍事力に秀でた爬虫人類タイプの種属。艦隊は攻撃力に優れ、エッジフォームも武人らしい技能を多くもつ。
- 星覇:しんは。共感能力にすぐれる獣人型種属。艦隊は接近しての白兵戦能力に優れる。
- ズメイ:はるか昔、銀河を支配していたとされる竜人型の古代種属。他の種属より優れたテクノロジーをもち、怪獣型の生体艦を駆使する上位種。
- 天魂:てんこん。彗星の核などに根を生やす宇宙植物型の知性体で、人形のように愛らしいエッジフォームをもつ。人脈を活かした政治が得意。技能は植物の特徴が反映されている。
システム
判定ルール
判定には、10面ダイスを数個、用いる。
レギオンフォームの能力値は10~数十で、能力値がそのまま、分野ごとの「艦艇数」を表している。
キャラクターの能力値と技能値の合計が、指定難易度以上なら判定成功となる。レギオンフォームの行動は、初期作成PCでも100隻の宇宙艦隊の行動を表現し、判定は「D100+該当する能力値(艦艇数)+修正」で行う。「宇宙戦闘」「惑星改造」「惑星上戦闘」など、大規模な判定を行えるのが本作の特長だ。
人間大のエッジフォームとして行う判定では、D10で処理を行う。惑星上の行動用端末であり、普通の人間大キャラクターに近いが、アンドロイド(義体)なので破壊されても再生可能である。
このほか、天体や艦隊のマップ上での移動を表現するさい、6面体ダイスも使用する。
セッション進行
セッションは幾つかのシーンに区切られて進行する。
シナリオで舞台となる星系にPC艦隊が来訪する「接触フェイズ」、現地のNPCとファースト・コンタクトを遂げて問題解決にあたる「復興フェイズ」、最後にその星系に潜んでいたリグレッサー艦隊と戦う「決戦フェイズ」などで構成される。
決戦フェイズでは、天体の軌道運動を表現した「アクティブ・ステラーマップ(星系マップ)」を使用する。
天体の重力を利用して加速したり、軌道変更して他の惑星から資源を調達したりでき、雄大な宇宙艦隊戦を楽しめるぞ。
1セッションで数十年以上が経過し、その間、現地の文明を育成して「文明レベル」を上げることで、PCが有利な修正を得ることが出来る。
ただし、「カタストロフ表」が適用され、文明レベルが大きく後退する大災害が起きることも……!
ルールブックには、シナリオ自作のさいに役立つ詳細な「星系作成ルール」も付属。手軽に、スケールの大きなスペースオペラ年代記を創作できる。